潜水日記

思考の記録です。

私には好きな道が一本あって、住宅と住宅の隙間をゆくその道の真ん中にどーんと立ち、私はカメラのシャッターを切る(車も自転車もきません)。季節の変わり目に無意識に(そして後で写真を整理して気がつくのだ、ああまた撮っているなと)。

用水路に蓋のようなものを渡したような作りで、永遠に蓋が並んでいる。その上を俯きがちに歩いていると様々な発見がある。セブンイレブンイカ焼きのパッケージ、レッドブルの空き缶、熟れた柿、名も知らぬ花弁、誰かの吐瀉物、カメムシの死骸。

今日は蓋と蓋の隙間に詰まった苔を見つけた。青々とした緑。ふかふかしてそうな容姿。たとえ私のパンプスが彼らを踏んでしまったとしても3秒後にはむくっと元の形に戻ってそこにあるような、そういう逞しさを私は勝手に感じて、70cm向こうに次の苔を見つける。

おそらく一週間とたたず、この道には強烈な日差しが差し込むことになるだろう。地面に横たわるあらゆる存在を焼き切る陽の光が。その時にこの苔達はどうなるのだろう。

私は明日も明後日もこの道を歩く。