潜水日記

思考の記録です。

深海

 夜7時半。幹線道路を車で移動している。街灯が等間隔に並んでいて、パチンコ店と中古の車屋さんとステーキハウスばかりの道路。街灯が照らす部分の車道はオレンジ色に照らされ、星は見えない。空は一面真っ黒で、数か月ぶりに私は夜を「夜」と認識した。では私が今まで「夜」と思っていたものは何だったのか。とにかく空が真っ黒だった。空って真っ黒になるんですね。どうして私は今、馬鹿みたいにフロントガラスから空を見ているのだろう。遠くにちらちらと光るものが見えて、それはこれから私が帰るであろう町で、光っているものは家々の窓からこぼれる灯りだ。

 私が乗っている車が走ってるのは深海の奥底に通った道路で、反対車線で遠くからやってくる車はどこかからやってきた魚。そしてそれは同時にこれからどこかへ行くサカナ。深海は静かなものだ。陽の光が燦燦と差し込む浅い海域は、もう少し騒々しく、前向きな表現をするならば賑やかで、私としては若干気疲れするものなのだった。水族館に行きたいな。水族館に行きたい。涼しくて暗いところがいい。