潜水日記

思考の記録です。

探検隊

夕暮れ時、日差しは強いが風がそよいでいて世界が心なしかオレンジ色に見える。私はサンダルをスタスタと鳴らしながら歩いていて、正面から4人のかたまりがやってくるのが見えた。お父さんと長女と次女と長男。おそらくは。 お父さんと思しき大人の男の人は…

「その日はうちの嫁が病院に行くって言うものでそれに付き合うので…」 仕事で上司同士がそのような会話をしているのが私の耳に入ってくる。 私は他者の言動に対して判断を下すのが苦手だ。逃げているのかもしれない。 言語化できないところがあるし、言葉に…

私には好きな道が一本あって、住宅と住宅の隙間をゆくその道の真ん中にどーんと立ち、私はカメラのシャッターを切る(車も自転車もきません)。季節の変わり目に無意識に(そして後で写真を整理して気がつくのだ、ああまた撮っているなと)。 用水路に蓋のよ…

深海

夜7時半。幹線道路を車で移動している。街灯が等間隔に並んでいて、パチンコ店と中古の車屋さんとステーキハウスばかりの道路。街灯が照らす部分の車道はオレンジ色に照らされ、星は見えない。空は一面真っ黒で、数か月ぶりに私は夜を「夜」と認識した。では…

削ぐ

1週間日記が書けなかった。 手書きでノートに日記めいたものを書いていて、特に毎日書くという決めごとは無い。唯一決めているのは、日付は赤文字で西暦から書くことだけ。1週間くらい空くことは珍しいにせよ、1日おき2日おきなんてのは普通だ。 忙しかった…

殴り合い

世界よ滅べ~~~~やっぱり駄目だ!世界よ長生きして~~~~!と思いながら、私は好きなアイドルの曲を聴いている。ホッキョクグマより人類の方が先に滅んだ方がいい。みんなで滅べばまだ怖くないと思う。 写真を60枚ネットプリントで注文した。いつ届くの…

画定線

書店を手ぶらであとにするというのは、私の中でもかなり悲しい方の部類に入る。ほんとうに悲しい。買いたい本があるのに持ち合わせがなくて、とか、今は金欠で、とか。それはそれでまた別の悲しさであってもちろん悲しいことなのだけれど、私が今言及してい…

対処法

引きずり込まれないこと。 良いのか悪いのか、その「何か」がすごいのかすごくないのかわからないけれど(でも一人の人間を弾き飛ばす力があるのだからすごいのだ)「何か」によってがっつーーーーーんとやられると、そのことばかり考えてしまうことがある。…

小麦

「私は今小麦を食べている!!」 二郎系ラーメンの、あのモチモチと弾力のある中太麺と格闘していると、私はそう強く感じる。私は生きていて、今まさに小麦を食べているのだ!! パンもピザもパスタも餃子も肉まんもケーキもタルトも。すべて小麦無しでは成り立…

入院

病む夢を見た。 毒々しいピンクや紫を基調とした内装の病院の中に私はいて、待合室のベンチに座っている。茶色でふわふわと柔らかい髪の白衣の医者がクリップボードを持って私の傍らに立っている。その医者は、「申し訳ありませんが、検査の結果からあなたに…

掏摸

乗り換えのために歩いていると、私と人との間を抜けていく影があって、次の瞬間には一歩前に行かれた。やや強引とも思える抜き方をされて驚いたけれど、次の瞬間どうでも良くなった。その男性が背負っている吉田カバンが目に止まった。私は鞄が好きなのだ。 …

写真整理

写真を整理している。 一番古いフォルダが2015年。まだまだ歴が浅い。最近、暇を見つけては、というよりもちょっとした時間に過去の写真を削除している。心が振られなかった場合は潔く消す、それがルールだ。 消すか、消さないか判断しなければならないので…

携帯電話

思い出話をしよう。 初めて買ってもらった携帯電話は、本体のショッキングピンクが強烈に効いている、音楽を聴くのに特化したモデルだった。CDをパソコンに取り込んで、パソコンと携帯電話をケーブルでつないで同期させて音楽を入れた。その頃の私は、まだ自…

ワンプレート

その女の人は鼠色のパーカーに黒のパンツ、耳には白のAirPodsをつけて、先に運ばれてきたいちごのフラッぺをズズズと啜りながらスマホを見ていた。かっこいい人だなと思った。人間に対して好みがあるとすれば、私はこんな人をいいと思う、そういう良さだった…

カメラ

低いねえ、と中学生五人組部活帰りの少年たちは空を見上げながら騒いでる。 見上げると、銀色に光る旅客機が飛んでいる様子が確かに大きく見える。 あれはJALだよ、とそのうちの一人が言う。 そんなんわかるん?と誰かが返す。 JALかANAかそれ以外かなんてわ…

スケジュール

だれもいない、 だれもいない、 だれもいないったらだれもいない と、心の中で歌いながら地下通路を歩く。私の靴がコンクリートをリズミカルに叩く音に合わせて。 誰もいなかったのだ。驚くことに。 もしかしてのもしかして、私は私以外の人類全てを心のどこ…

餃子定食

手前にはパチンコ屋があり、奥にはカレー屋がある。二つのお店に挟まれたところ、少し道路から奥まった形でその中華料理屋はずっと前からあって、私は「ずっと前からある」という食べ物屋に一定の信頼を寄せている。 ということで昼食はそこに飛び込んだ。 …

二重

私の嫌いなこと、洗顔。さっぱりするのはもちろん好きだけれど、目に洗顔料が染みるのでちゃんと水で洗い流さないといけない(この場合お湯は使わない)。それが嫌だ。私はぱっちり二重でその部分に洗顔料が残りやすい。 やーね、それ自慢?と言われる、から…

日記(20200622)

思えばコロナの問題があってから(3月下旬ぐらいから)外食することが今まで無かったことに気づく。別に外で食べることが好きな人間ではないけれど、外に出ないと精神が病む人間ではあるので今日は近所のラーメン屋に行くことにした。 雨が降っている。私は…

横断歩道、ウーバーイーツ、邂逅

幅にして3mの横断歩道。やってこない自動車。わずかな時間であっても待てずに赤信号にも関わらず渡る歩行者。 横断歩道の手前で立ち止まり、何人もの人に追い抜かされ、何人もの人とすれ違い、ぼんやりと私は考えている。赤信号分の空白を埋めるために。 do…

夕暮れ時、ブルーブラック

久々に早く帰ることができそうだった。 今日の天気は晴れなのか雨なのか、暑いのか涼しいのか。働いているとその辺の認識が自分の中で曖昧になっていく。 ビルの自動ドアを抜け、外の空気に肌が触れたとき、おもったよりひんやりとしていてそのことに私は驚…

車の底(20200614)

プールの底に沈んだことはあるかい。 あれは今日のような天気で、灰色の雲が空一面覆い尽くし、しとしとと雨が降り止まぬ日だった。 個人の体にもよるだろうけれど、人間は実はなかなか沈まないものなのだ。何もしなければ、だけれど。水をぐんぐん吸う衣服…

ムニエル、大根の中華スープ、雨(20200612)

少し変わったなと思う。 もういつからこのブログをやっているかもわからない。 最初はなんとなく日ごろ書きたいと思ったことを書いていた。特にネガティブな気持ちを。私は普段他人に対して自分の心情を吐露することがほとんど無くて、行き場のない気持ちを…

もう信じられない(20200610)

最近考えていることがあって。それは「もう信じられない」ということ。 これ、自分自身としてはあまり無い感覚で、「もう信じられない」と割り切るほど私は何かを知っているわけではないと思うからだし、何かを十分に知るなんてことは一生無いので、「もう信…

日記(20200607)

罫線 昔、私は百科事典で調べ物をすることが好きだった。 携帯電話はあったけれど、二つ折り携帯の時代。そもそも私がケータイを持てるようになったのは中学2年生からだ。パソコンも今ほど普及していなかった時代。何か調べたいことがあれば、Googleで?そん…

洗濯ばさみ(20200604)

午前11時とかに私は洗濯物を干している。浴槽洗い、食器洗い、洗濯は好きなのだ。 特に何か考えるわけでもなく、脱水後で湿ったハンカチを洗濯ばさみでとめようと指でグイと洗濯ばさみをつまんだそのとき、唐突に「そういえば私は別に私のこと好きだよな?」…

青空自転車爆走少女(20200602)

散歩で歩道を歩いていたら、青空の色をした自転車が私を追い越した。 漕いでいるのは、もしかしたら小学生ですらないのかもしれない女の子。自転車に並走する形でもう一人同じ年頃の女の子が走っている。 小さいけれど立派な自転車で、しばらく見とれてしま…

23分(20200530)

まったくまだ読み終わっていないのに(奇しくも同じ村上春樹だ)私は『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』を手に取り読み始める。そういう気分屋で散漫なところが私にはあるのだ。 写真がところどころに散りばめられた短い紀行エッセイだ、ウィスキ…

鳥の泣き声(20200529)

構わないけども。 なんだかいつもより早く、アラームに叩き起こされずに目覚めてしまった。 時刻は朝6時に差し掛かる頃。 カーテンの隙間から朝の気配がしている。光という直線的で厳しいものではなく、ひかりがカーテンの向こう側にあることを知っている。…

私の足首事情(20200527)

よく足首を捻る。 アメリカーノ散歩しているときも(20200525)ふわ~~~~とした気持ちで歩いていたら段差に足を取られ左足首を外側に捻った。スタバのプラスチックカップの蓋はストローの差し込み口が若干空いていて、そこからアメリカーノが私の手に少し…