ベランダの実験室

思考の記録です。

植物館(20190223)

 一歩足を踏み入れると、温室独特のむわっとした空気が私の肌に纏わりついてくる。一眼レフのレンズは曇り、私は自分の頭の上を見上げる。ガラス張りのドームが覆っている室内は空気が濃いと感じる。風はない。よって葉が擦れる音もないし、鳥もいない。ここに来るまでに通った松並木の方が、この場所より植物の種類は少ないだろうにずっとうるさかった。鳥のさえずり、葉擦れの音。風の呻き。どちらが好きかと言われれば、どちらも好きだと答えたい。

 動物園も水族館も植物園も美術館も博物館も好きだから、訪れるとニコニコしてしまう。ふふふんと鼻歌を歌いながら私は一人館内を歩く。こんなにも楽しいのに、その楽しさを普段は忘れているんだよなぁ。手軽なコンテンツ、エンタメに体を乗っ取られているような気分。もちろんそれらも愛してやまないのだけれど、滋味深いといいますか、優しい楽しさみたいなものも忘れたくはないです。

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