ベランダの実験室

思考の記録です。

餡饅逃避行(20181203)

5年ぶりくらいに餡饅を食べる。

 

ああ、今私は空腹状態である。そう自覚してしまうと居ても立っても居られない。頭がぼうっとしてきてまったく集中できない。ディスプレイの文字も紙の文字も誰かの言葉も私の頭をすり抜けていく!!!ということで、私はおやつを食べます。

おにぎりー、チョコ、ゆで卵ー。誰にも聞かれないように鼻歌をふふふんと歌いながらお店に入る。あっまいものーあっまいものーと脳内の西武冬市のテーマソングに合わせながら何を食べようか考える。甘いもの。甘いもの。優しくて、それなりに満たされて安価な食べ物。餡饅。ケースでほかほかされている彼(彼女)と目が合ってしまった。

餡饅。何故5年ぶりなのかというと極端に甘いものは敬遠しがち(どちらかといえば塩っぽい食べ物が好き、つまり肉饅が第一候補になる)なのと、そもそも肉饅などを食べる習慣が無い、ということが挙げられる。同じようにコンビニおでんも1回しか食べたことがない。あとは季節の商品ってことが大きいのだろう。5年ぶりくらいの再会である。

外に出て冷たいベンチに腰掛けて、私はほかほかの餡饅を手で持つ。ものすごい熱さ。相当ほかされていたみたいです。両手で割って「まあ!!!」という食レポはこの際省きます。そのまま餡饅を噛みます。あつい。

私が齧ったことで餡饅は欠けた月みたいになるのですが、唐突に私はアンパンマンを思い出します。そういやアンパンマンも誰かにアンパンを差し出すときは中の餡子が見えていたっけ。なるほど。何がなるほどなのか自分でもわからないまま二口目に移ります。

欠けたところからはほわほわな湯気が揺らめいていて、すっかり暗くなった世界に白く存在していてます。私はそれを今日初めて見たという気分になりました。見ててとても面白い。夜の闇と店の光と白い湯気。餡饅。

肉饅も好きだけど肉饅は肉の部分だけ食べたくなってしまう反面、餡饅は皮と餡があって初めて餡饅という気にさせられるのが素敵な食べ物。皮、餡。皮、餡。皮、餡。ただそれだけの世界。皮も真っ白でふわっふわしてて、美味しくなったなぁ餡饅と何故か餡饅をなでなでしたくなる気分。コンビニ業界の方の弛まぬ努力のおかげですね。

あっという間に餡饅は胃に溶けて、名残惜しくも私は仕事に戻ります。餡饅の餡の甘さが、多少は文字の読解を助けてくれるのでないかという期待を抱きながら、今日はさっさと仕事を終わりにしようと自動ドアをくぐり抜けたのでした。