ベランダの実験室

思考の記録です。

土曜9時30分の横断歩道にて

土曜日の9時30分頃、私は横断歩道で歩行者用の信号が青になるのを待っていた。

私が渡りたい信号に対して90度に伸びる信号は、当然青になっていて人々が道路を渡っているのが見えた。

清々しい春の土曜日。

桜はあいにく散ってしまったが、澄み渡る空の青と太陽の柔らかな光が今日1日が素晴らしい日になることをすでに予告している、そんな土曜日。

ふと、横断歩道を渡る幼子に私の目が止まる。彼女は小さな小さな自転車を懸命に漕いでいる。彼女の背中は可愛らしいリュックで隠れてしまい、頭にはヘルメットをつけている。多分父親なのだろう、自転車の彼女の横でスポーティーな装いの男性がいる。おおかたどこか公園へ行くのか散歩なのか、娘の自転車と並走しジョギングをする親娘、という感じだろうか。

特に新鮮な光景ではない、が、目が離せなかった。

綺麗だなと思ったからかもしれない。横断歩道の白と黒と、女の子のピンク色のリュックとヘルメットが鮮やかに映ったのだ。


幸せというものについて私は考えない。

幸せになりたいかと言われるとなりたいが、意識的に考えることはしない。「今、幸せな瞬間です」と言われても、いまいちピンとこない。幸せ以外の言葉でならその瞬間について考えられるのだけど。

そんな私が、確かにこの瞬間は幸せと呼べるものの1つなのかもしれないね、と思いましたとさ。土曜日9時30分頃の出来事。