ベランダの実験室

思考の記録です。

【Book】穂村弘『もうおうちへかえりましょう』を読んで

 2017年は穂村さんの本を読む年である。

 別に「穂村さんyear」と決めているわけではなく、ごく自然にそうなってしまっているだけの話。たまたま年明けの前から穂村さんの本をちらほら読み始め、なんだかほっとするし面白いしああ~わかる~~と思うことも多々ありでも意味わかんないなと思うこともあり、読み終わった本を返してはまた穂村さんの本を借りるのである。

 

 私は、世の中の人がもっと自分の思っていること、見ている風景を表現すれば、少なくとも年に3万人くらいの人が死ぬような事態にはならないような気がしている。ああ、こういう考え方もあっていいのか。こういう風に考えている人もいるのか。考え方なんて人それぞれ違うものであって、別にその人がおかしいわけじゃないんだ。そう思えればまだマシなような気がしているのは、私の希望的観測なのだろうか。甘いのだろうか。

 

 その話と穂村さんの話がどうつながるか。大いにつながる。

 

 穂村さんのエッセイは穂村さんの話である。穂村さんが見ている風景がそこでは描かれている。私は穂村さんじゃないからピンとこないこともある。なんでこんなこと考えるのだろう?私はそんな風に思ったことはないけれど。それと同じように、ああ~こういうのわかるなぁ、ということもある。穂村さんが感じていることとまるっきり同じじゃないけど似たようなことを考えている自分に気づく。そんなとき、自分の存在がちょっと許されたような気がする。許されるというか、ああ、自分この世界にいてもいいんだなって思うことに似ている。だから、穂村さんのエッセイを読むことは、延命措置というかそういうものでもあるのかもしれない。…ちょっと違うか。

 

 特に私は、「ひとりドミノ倒し」の話が好きだ。

毎日を「海の一日」の鮮やかさで生きたいと願う。

 私もそう思う。そして、オチがちゃんと穂村さんだった。

 

 今年は、より生き永らえるために(そんなことを言うと深刻だけどそうでもないです)穂村さんの本をまだまだ読んでいく。とりあえず穂村さんの新刊を購入したのにどこかへ行ってしまったので、それを探さなければ。

 

もうおうちへかえりましょう (小学館文庫)