読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

祝福の日々

私-好きなこと=ブログ、です。

20161028 奇しくも彼を思いだすのは雨なのか ―YUI「Rain」を聴く―

 中学生の半ばでASIAN KUNG-FU GENERATIONに出会うまで、私は音楽に疎い子どもだった。そのころには嵐とかがとっくにデビューしていて、彼らの代表曲「Love so sweet」は中学生どまんなかにリリースされていた。私にとって女の子が女の子であるために「嵐を好きでいること」は条件のようになっていたけど、あいにく私は相葉くんと大野くんのどちらがどちらなのかわかっていなかった。女の子失格である。

 

 音楽と記憶はつながっている、と思う。音は人は記憶を想起させる。それは思いだしたいと思って、というよりは、不意を突かれて立ち現れてくることが多い。

 

 YUIの「Rain」をかつて歌ったのは、私が憧れていたあの人だった。今日はそういう話。

 

YUIの「Rain」が運んでくる記憶

 もしかしたら今の若い人、中学生くらいの子はYUIというシンガーソングライターのことを知らないのかもしれないなぁと思っている。まだそんなに日は経っていない?かな。こりゃ失礼かな。でもあながち本気で思っている。

 私はアニメが大好きだ。「BLEACH」と「NARUTO」はアニメや漫画を好きになったころに触れた作品で、そこから派生して色んなアーティストにも触れるようになった。

 何しろ、「BLEACH」も「NARUTO」もオープニングやエンディングの選曲が神がかっていたのだ。

 

 アジカンポルノグラフィティいきものがかりサンボマスターNICO Touches the Walls、Aqua Times、オレンジレンジUVERworld、シド、などなどなど。

 

 アニメが私の世界を広げてくれたといっても過言ではない。

 そこでYUIも知った。

 

 どんどん好きになった。彼女の世の中に挑む感じがすごい好きだった。モヤモヤした当時の行き場のない思いを、代弁してくれたかのように感じていた。だからここだけの話、私は今もYUIの「CHE.R.RY」は苦手である。私は恋の甘酸っぱさはどうも苦手だからだ。

 

 で、2010年の11月にリリースされたのが「Rain」という曲。クリスマスの1か月前のリリースながら、内容は「クリスマスイブに彼にドタキャンされた女心」という、挑戦的な内容である。流石YUIさんである。惚れ惚れする。

 

 この曲が運んでくれるのは色々な記憶。例えば、この「Rain」がタイアップとして起用されたのがフジテレビ系日曜9時台のドラマ「パーフェクト・リポート」。当時見ていたはずだけど、設定と主役の松雪泰子さんぐらいしか覚えていない。むしろ覚えているのは、そのドラマ以前はフジテレビ系では長らく日曜9時はバラエティ番組で、今回のドラマが初めての「ドラマ枠」だったということ。つまりとっても気合が入っていただろうということ。TBS系の同時間帯にばっちり当てた企画だったのだろうということ。その方が印象に残っていたな。

 

 女の悲哀を歌うこの曲。この曲を歌うのが私はとても好きだ。荒んだ感じで日頃の鬱憤を声にしてぶつけまくるイメージです。いいストレス解消になります。

www.youtube.com ロックな感じもかっこよくて。エレキギター1本持って、ぎゃーん!と弦をならす一人の女性。それがYUIだったのです。でも私はアコギを抱えるように持って歌うYUIも好きだったな。

 

雨が運ぶ彼の記憶

 YUIの曲をカラオケで歌うと、自然と脳裏には彼の姿を思い浮かべます。彼といっても恋仲だったわけではなく、部活で一緒の同期という関係ですけどね。

 

 私にとって彼は憧れの人間でした。理知的で頭脳明晰、頭が恐ろしく良くて、言葉数は多い方ではないけれど好きなことには楽しそうにしゃべる人で、まあ多分人の好き嫌いはあるだろうけど、女性の前で礼節をもって接する人でした。

 

 雑で頭も悪く混沌としていて何をしゃべっているのか何をしているのか自分でもわかっていない、舞い上がり体質の私は、彼の前に立つこともできなかったな。まともに話せたことなどなかった。自分の醜い部分なんてとっくにバレているだろうなぁとか、そんなことを思っていたたまれなかった。

 

 その当時の同期たちとカラオケに行くことが度々ありました。何回も行っているから、みんなの曲の好みは大体知られていて。彼は色んなアーティストの曲を歌っていたけど、YUIも好きでした。私もYUIが好きで、でも彼の前じゃ歌うのが嫌で、あえて違うアーティストの歌を歌っていたな。

 

 「Rain」も歌っていた。私は「Rain」を歌うやつなんて彼ぐらいしか未だに会えていなくて、でも、多分他の女性が歌っても違うだろうなこの感覚はないだろうなと思った。

 

 男である彼が歌うと、変に生々しいのだ。

 

 「Rain」は女の曲。「~だわ」「~よ」と時々語尾でわかる女らしさ。なのに彼が歌った方が生々しいなんて。歌舞伎の女形とかも同じ理屈なのかしら?なんて思っている。女の私が男性アーティストの歌を歌ってもどうだろう、ここまで生々しく歌えるかしら?

 

 とにかく、彼の「Rain」は色っぽかったのだ。

 

 

 今日は偶然にも雨。私は一人カラオケボックスで「Rain」を歌った。彼が脳裏に浮かぶ。冷静沈着で恋に奥手だった彼も(当時彼には好きな人がいたのだ。もちろん私ではない。)私と同じ月日が流れた。

 彼の恋は成就していたのだろうか。今も誰かが隣にいるのだろうか?澄み切った水のように、何事にも動じない彼も、恋というものには動揺するのだろうか?泰然としている彼が乱れる様を、私は1回くらいは見たかったなと、今では思う。もう会うこともないだろうけどさ。

 

 大して言葉も交わしていないのにこんだけ色々思っているのは申し訳ないけど、私にとって彼は印象深い人だったのだ。

 

 音楽は記憶を運んでくる。 

 今日は彼の記憶だった。