ベランダの実験室

思考の記録です。

20161021 メモ魔について思ったこと ―「SWITCHインタビュー 達人達 水野良樹×西川美和」を見て―

 対談とかエッセイとかインタビューとかドキュメンタリーとか。

 その人の価値観がわかるものが私はとても好きである。どうして好きかというと、その人の処世術、こだわり、哲学、などなどなどから学べることはたくさんあるし、自分の持っているものと比較することができるし、面白い発見もあるし、私以外の人ってこういう考えをしているんだなぁと知ることができるし、好きである。

 今は見ていないけれど、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」は好きだし(ただ1時間が長く感じる)「情熱大陸」「ボクらの時代」はたまに見る。最近だと今シーズンは終わってしまったけど「漫勉」が好きだった。そして「SWITCHインタビュー 達人達」も見るようになった。

 

 10月1日に放送された

 音楽グループ「いきものがかり」のリーダー、水野良樹さんと

 今公開されている映画「永い言い訳」の監督、西川美和さん

 の回を見た。

 

 内容はメモをとっていたんだけどどこかにいってしまった。じゃあなんでこんなものを書いているのかというと、西川さんが対談中メモを取っていたことをふと思いだしたからだ。

 

西川監督のメモ

 「SWITCHインタビュー」は2人が対談形式で話を進めていく番組だ。ただの対談ではないところが1つあって、それは、明確に「聞き手」と「語り手」を分けていることだと思う。

 AさんとBさんがゲストだとして、初めの20分くらいはAさんがBさんにひたすら聞く、質問する、尋ねる。もちろんAさん→Bさんという流れだけで話は進まないし、Bさんから「逆に聞きたいんですけど」とAさんに話しかけることもある。が、話の主導権はAさんにある。そして次に「スイッチ」を切り替えて、BさんがAさんにひたすら聞く順番になる。その際、最初とは場所も変わる。インタビューを受ける人ゆかりの場所であることが多い。

 水野さん×西川さんの回は、最初に水野さんが西川さんに尋ねて、後半は西川さんが水野さんに尋ねる流れだった。確か対談のきっかけは、水野さんが西川さんを指名したんではなかったかな。

 

 私が特に気を惹きつけられたのは1点だけ。

 西川さんが水野さんに聞く番になったとき、西川さんは多分のご自身のノートだと思うけれど、メモを取りながら話を聞いていたのであった。私はそれが妙に気になる。

 表紙が黒のノートで、使い慣れていそうなノート。きっと作品作りのちょっとした材料にするのかなぁ、なんて思いながら、私は西川さんがメモをとる姿を見ていた。

 

メモ魔である

 私は、多分メモ魔である。とにかく紙に何かを書く人間である。思ったこと、感じたこと、あとで調べたいこと、そういうアイデアのようなものを書くことが多い。西川さんのように何かを創作するわけではないのだが。

 で、私は西川さんの姿から何を思ったのか。簡単に言うと「メモをとる人ってどう思われているのだろうか」ということだった。

 

メモをとる人を前にすると緊張するだろうか

 番組もラスト。水野さんが西川さんとの対談を終えられて、その場の緊張がほどけたおまけみたいなシーンで、水野さんがふとこういうことを言っていたんですよね。

 

水野「(西川監督が)メモを取っているときの顔が怖くて(;´∀`)」

西川「これは私の武装だから」

 

 この水野さんの言葉が、そのまま私のモヤモヤを表してくれている気がして。そう「メモをとる人は怖いのではないか?」という疑惑です。

 

 「メモをとる」といっても、色々とシチュエーションがあると思っていて。

 

 仕事などで予定や必ず把握しなければいけないことをメモする

 忘れないようにメモする

 これメモしておいてと言われたから仕方なくメモする

 

 まあ色々ありますね。で、私の場合は西川さんと同じように(勝手に「同じ」と考えてしゃべっているけど)、「アイデアを書きとめる」とか「思ったことを書きとめる」とか「相手が話したことを書きとめる」とか、そういうメモのとり方をしているのではないかと思います。むしろ、必要なことはメモをしない人間です。

 要は、相手からしてみれば「なんでそんなものメモするの?」というメモの取り方。本人しかわからないメモの取り方。

 私がモヤモヤしていたのは、そういうメモの取り方をしていると相手は確かに困惑しそうだなぁ~と思ったからでした。だって何を書いているかわからないし、どんなこと書かれているかわからないし、何か不安になりません?私なら不安になると思う。水野さんの怖がる気持ちもわからなくもない。

 

 メモをとりたいという欲望と、メモされるのが何か不安という相手の気持ちと、メモをとるにもなかなか心穏やかではありません。

 

私のメモ魔事件

 つい最近あったんですけど。

 私はある人と相談事をしていて、バインダーをもってペンを持ちながら話していたんですね。で相手は「こういうのはどうか?」とか「これいいんじゃない?」とか話しかけてくる。沈黙が時々おこり、少々気まずい。

 私は、というと、沈黙が長くなり双方会話に詰まり、なんとなく気まずい今の状況を興味深く思っていたんですね。どうしてこういう状況になっちゃったのかなとか、相手の表情や声色から今どういう気分なのだろうかとか、相手はどういう人なのかなとか、肝心の相談事よりも周辺の状況が気になってきてしまった。まあそれだけでかなりひどい人間だなぁと思うのですが、そういう今の気持ちを紙にぽつぽつ書いていたんですね。

 そうしたら、相手方としては相談事について考えている思っているから、「今紙に書いたこと教えて?」とか聞かれるわけです。驚いちゃって。相談内容のことはまともに考えていなかったので(←大変失礼ではある)どう答えていいものやら。紙にはその先生の癖とか、私はどう接すればいいかとかそういうことが書かれているのに、まさか見せるわけにもいかない。その時は、対策としてきちんと回答を用意していたのでそれを答えましたけど、確かにメモを取るって相手からしてみれば「なんで今メモをとるの?と思われても仕方のないことだろうな、とその時感じました。

 

メモとりたい

 物事の結論は最初から決まってます。私はメモをとりたいんです(笑)書いていた方が気が楽だし、私はそうやって人生楽しんでいるから。問題はその行為が人を不快にさせるかどうかということ。

 洋服ではないけれど、常に自分の行為を客観的に見ていくことが必要だろうなと思いました。その場所でメモをとる自分を想像してみる。どうにも失礼に見えるだろうなと思ったらやめる。あとは「自分メモ魔なんです」アピールをしておく。これも大事。キャラクターとして定着させておけば、無駄な衝突はなさそう。

 

 メモ魔とはなんだろうか、と感じた出来事でした。